通知名 | 公共工事の品質確保の促進に関する施策を総合的に推進するための基本的な方針について |
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決定制定日 | 2005/08/26 |
最終改正日 | 2005/08/26 |
文書番号 | |
文書本文 (最終改正) |
公共工事の品質確保の促進に関する施策を総合的に推進するための基本的な方針について 平成17年8月26日 閣議決定 政府は、公共工事の品質確保の促進に関する法律(平成17年法律第18号。以下「法」という。)第8条第1項に基づき、公共工事の品質確保の促進に関する施策を総合的に推進するための基本的な方針(以下「基本方針」という。)を、次のように定め、これに従い、法第九条に規定する各省各庁の長、特殊法人等の代表者及び地方公共団体の長は、公共工事の品質確保の促進を図るため必要な措置を講ずるよう努めるものとする。 第1 公共工事の品質確保の促進の意義に関する事項 公共工事は、国民生活及び経済活動の基盤となる社会資本を整備するものとして社会経済上重要な意義を有しており、その品質は、現在及び将来の国民のために確保されなければならない。 建設工事は、目的物が使用されて初めてその品質を確認できること、その品質が受注者の技術的能力に負うところが大きいこと、個別の工事により品質に関する条件が異なること等の特性を有している。公共工事に関しては、厳しい財政事情の下、公共投資が減少している中で、その受注をめぐる価格競争が激化し、著しい低価格による入札が急増するとともに、工事中の事故や手抜き工事の発生、下請業者や労働者へのしわ寄せ等による公共工事の品質低下に関する懸念が顕著となっている。競争参加者の技術的能力の審査や工事の監督・検査等を適切に実施することができない脆弱な体制の発注者が存在することも、公共工事の品質低下に関する懸念の一つとなっている。こうしたことから、公共工事の品質確保を促進するための対策を講じる必要がある。 また、我が国の建設業界の潜在的な技術力は高い水準にあることから、公共工事の品質確保を促進するためには、民間企業が有する高い技術力を有効に活用することが必要である。 このような観点に立つと、公共工事の品質確保を図るためには、発注者が主体的に責任を果たすことにより、技術的能力を有する競争参加者による競争が実現され、経済性に配慮しつつ価格以外の多様な要素をも考慮して価格及び品質が総合的に優れた内容の契約がなされることが重要である。こうした契約がなされるためには、発注者が、事業の目的や工事の内容に応じ、競争参加者の技術的能力の審査を適切に行うとともに、品質の向上に係る技術提案を求めるよう努め、落札者の決定においては、価格に加えて技術提案の優劣等を総合的に評価することにより、最も評価の高い者を落札者とすることが原則である。 これにより、公共工事の施工に必要な技術的能力を有する者が公共工事を施工することとなり、公共工事の目的物の品質が確保されることとなると同時に、必要な技術的能力を持たない建設業者が受注者となることにより生じる施工不良や工事の安全性の低下、一括下請負等の不正行為が未然に防止されることとなる。また、ペーパーカンパニー等の不良・不適格業者が排除され、技術と経営に優れた企業が伸びることのできる環境が整備されることとなる。 加えて、民間企業の高度な技術提案が活用されることで、工事目的物の環境の改善への寄与、長寿命化、工期短縮等の施工の効率化等が図られることとなり、一定のコストに対して得られる品質が向上し、公共事業の効率的な執行にもつながる。 さらに、価格以外の多様な要素が考慮された競争が行われることで、談合が行われにくい環境が整備されることも期待される。 公共工事に関する調査・設計についても、その品質確保は、公共工事の品質を確保するために必要であり、かつ、建設段階及び維持管理段階を通じた総合的なコストの縮減と品質向上に寄与するものである。このため、公共工事に関する調査・設計の契約においても、価格のみによって契約相手を決定するのではなく、技術提案を求め、その優劣を評価し、最も適切な者と契約を結ぶこと等を通じ、その品質を確保することが求められる。 公共工事の品質確保の取組を進めるに当たっては、入札及び契約の過程並びに契約の内容の透明性並びに競争の公正性を確保し、発注者の説明責任を適切に果たすとともに、談合、入札談合等関与行為その他の不正行為の排除が徹底されること、不良・不適格業者の排除が徹底されること等の入札及び契約の適正化が図られるように配慮されなければならない。 また、公共工事の品質確保に当たっては、工事を施工する専門工事業者や技能労働者の能力が重要な要素であることから、これらの者の活用が促進されるとともに、下請に係る請負契約が対等な立場で公正に締結され、履行されるなど元請と下請の関係の適正化が図られるように配慮されなければならない。 第2 公共工事の品質確保の促進のため策に関する基本的な方針 1 発注関係事務の適切な実施 公共工事の発注者は、法第三条の基本理念にのっとり、競争に参加する資格を有する者の名簿(以下「有資格業者名簿」という。)の作成、仕様書、設計書等の契約図書の作成、予定価格の作成、入札及び契約の方法の選択、契約の相手方の決定、工事の監督及び検査並びに工事中及び完成時の施工状況の確認及び評価その他の発注関係事務を適切に実施しなければならない。 特に、競争参加者の選定又は競争参加資格の確認に当たっては、当該工事を施工する上で必要な施工能力や実績等について技術的能力の審査を行うとともに、工事の内容に照らして必要がないと認められる場合を除き、競争参加者から技術提案を求めるように努めるものとし、技術提案を求めた場合の契約の相手方の決定に当たっては、価格と技術提案の内容等を総合的に評価しなければならない。 2 技術的能力の審査の実施に関する事項 技術的能力の審査は、有資格業者名簿の作成に際しての資格審査及び個別の工事に際しての競争参加者の技術審査として実施される。資格審査においては、公共工事の受注を希望する建設業者の施工能力の確認を行うものとし、技術審査においては、当該工事に関するその実施時点における建設業者の施工能力の確認を行うものとする。 (1) 有資格業者名簿の作成に際しての資格審査 有資格業者名簿の作成に際しての資格審査では、競争参加希望者の経営状況や施工能力に関し各発注者に共通する事項だけでなく、各発注者ごとに審査する事項を設けることができることとし、経営事項審査の結果や必要に応じ工事実績、工事の施工状況の評価(以下「工事成績評定」という。)の結果(以下「工事成績評定結果」という。)、建設業法(昭和24年法律第百号)第11条第2項に基づき建設業者が国土交通大臣又は都道府県知事に提出する工事経歴書等を活用するものとする。なお、防災活動への取組等により蓄積された経験等の適切な項目を審査項目とすることも考えられるが、項目の選定に当たっては、競争性の低下につながることがないよう留意するものとする。 (2) 個別工事に際しての技術審査 個別の工事に際しての技術審査では、建設業者及び当該工事に配置が予定される技術者(以下「配置予定技術者」という。)の同種・類似工事の経験、簡易な施工計画等の審査を行うとともに、必要に応じ、配置予定技術者に対するヒアリングを行うことにより、不良・不適格業者の排除及び適切な競争参加者の選定等を行うものとする。 同種・類似工事の経験等の要件を付する場合には、発注しようとする工事の目的、種別、規模・構造、工法等の技術特性、地質等の自然条件、周辺地域環境等の社会条件等を踏まえ、具体的に示すものとする。 また、建設業者や配置予定技術者の経験の確認に当たっては、実績として提出された工事成績評定結果を確認することが重要であり、工事成績評定結果の平均点が一定の評点に満たない建設業者には競争参加を認めないこと、一定の評点に満たない実績は経験と認めないこと等により、施工能力のない建設業者を排除するとともに、建設業者による工事の品質向上の努力を引き出すものとする。 3 技術提案の審査・評価の実施に関する事項 (1) 技術提案の求め方 発注者は、競争に参加しようとする者に対し、発注する工事の内容に照らし、必要がないと認める場合を除き、技術提案を求めるよう努めるものとする。この場合、求める技術提案は必ずしも高度な技術を要するものではなく、技術的な工夫の余地が小さい一般的な工事においては、技術審査において審査した施工計画の工程管理や施工上配慮すべき事項、品質管理方法等についての工夫を技術提案として扱うものとする。 また、発注者の求める工事内容を実現するための施工上の提案や構造物の品質の向上を図るための高度な技術提案を求める場合には、例えば、設計・施工一括発注方式(デザインビルド方式)等により、工事目的物自体についての提案を認めるなど提案範囲の拡大に努めるものとする。この場合、事業の目的、工事の特性及び工事目的物の使用形態を踏まえ、安全対策、交通・環境への影響及び工期の縮減といった施工上の提案並びに強度、耐久性、維持管理の容易さ、環境の改善への寄与、景観との調和及びライフサイクルコストといった工事目的物の性能等適切な評価項目を設定するよう努めるものとする。 (2) 技術提案の適切な審査・評価 一般的な工事において求める技術提案は、施工計画に関しては、施工手順、工期の設定等の妥当性、地形・地質等の地域特性への配慮を踏まえた提案の適切性等について、品質管理に関しては、工事目的物が完成した後には確認できなくなる部分に係る品質確認頻や法等について評価を行うものとする。これらの評価に加えて、競争参加者の同種・類似工事の経験及び工事成績、配置予定技術者の同種・類似工事の経験、防災活動への取組等により蓄積された経験等についても、技術提案とともに評価を行うことも考えられる。 また、これらの評価に加え、発注者の求める工事内容を実現するための施工上の提案や構造物の品質の向上を図るための高度な技術提案を求める場合には、提案の実現性、安全性等について審査・評価を行うものとする。 技術提案の評価は、事前に提示した評価項目について、事業の目的、工事特性等に基づき、事前に提示した定量的又は定性的な評価基準及び得点配分に従い、評価を行うものとする。 なお、工事目的物の性能等の評価点数について基礎点と評価に応じて与えられる得点(以下「加算点」という。)のバランスが適切に設定されない場合や、価格評価点に対する技術評価点の割合が適切に設定されない場合には、品質が十分に評価されない結果となることに留意するものとする。 各発注者は、説明責任を適切に果たすという観点から、落札者の決定に際しては、その評価の方法や内容を公表しなければならない。その際、発注者は、民間の技術提案自体が提案者の知的財産であることにかんがみ、提案内容に関する事項が他者に知られることのないようにすること、提案者の了承を得ることなく提案の一部のみを採用することのないようにすること等取扱いに留意するものとする。その上で、採用した技術提案や新技術について、評価・検証を行い、公共工事の品質確保の促進に寄与するものと認められる場合には、以後の公共工事の計画、設計、施工及び管理の各段階に反映させ、継続的な公共工事の品質確保に努めるものとする。 発注者は、競争に付された公共工事を技術提案の内容に従って確実に実施することができないと認めるときは、当該技術提案を採用せず、提案した者を落札者としないことができる。 また、技術提案に基づき、価格に加え価格以外の要素も総合的に評価して落札者を決定する方式(以下「総合評価方式」という。)で落札者を決定した場合には、落札者決定に反映された技術提案について、発注者と落札者の責任の分担とその内容を契約上明らかにするとともに、その履行を確保するための措置や履行できなかった場合の措置について契約上取り決めておくものとする。 (3) 技術提案の改善 発注者は、技術提案の内容の一部を改善することで、より優れた技術提案となる場合や一部の不備を解決できる場合には、技術提案の審査において、提案者に当該技術提案の改善を求め、又は改善を提案する機会を与えることができる。この場合、発注者は、透明性の確保のため、技術提案の改善に係る過程について、その概要を速やかに公表するものとする。 なお、技術提案の改善を求める場合には、同様の技術提案をした者が複数あるにもかかわらず、特定の者だけに改善を求めるなど特定の者のみが有利となることのないようにすることが必要である。 (4) 高度な技術等を含む技術提案を求めた場合の予定価格 競争参加者からの積極的な技術提案を引き出すため、新技術及び特殊な施工方法等の高度な技術又は優れた工夫を含む技術提案を求めた場合には、経済性に配慮しつつ、各々の提案とそれに要する費用が適切であるかを審査し、最も優れた提案を採用できるよう予定価格を作成することができる。この場合、当該技術提案の審査に当たり、中立かつ公正な立場から判断できる学識経験者の意見を聴取するものとする。 4 中立かつ公正な審査・評価の確保に関する事項 技術提案の審査・評価に当たっては、発注者の恣意を排除し、中立かつ公正な審査・評価を行うことが必要である。このため、国においては、総合評価方式の実施方針及び複数の工事に共通する評価方法を定めようとするときは、学識経験者の意見を聴くとともに、必要に応じ個別工事の評価方法や落札者の決定についても意見を聴くものとする。 また、地方公共団体においては、総合評価方式を行おうとするとき、総合評価方式により落札者を決定しようとするとき、又は落札者決定基準を定めようとするときは、あらかじめ二人以上の学識経験者の意見を聴くこととされているが、この場合、各発注者ごとに、又は各発注者が連携し、都道府県等の単位で学識経験者の意見を聴く場を設ける、既存の審査の場に学識経験者を加える、個別に学識経験者の意見を聴くなど運用面の工夫も可能である。なお、学識経験者には、意見を聴く発注者とは別の公共工事の発注者の立場での実務経験を有している者等も含まれる。 また、入札及び契約の過程に関する苦情については、各発注者がその苦情を受け付け、適切に説明を行うとともに、さらに不がある場には、第三者機関の活用等により、中立かつ公正に処理する仕組みを整備するものとする。 さらに、発注者の説明責任を適切に果たすとともに、手続の透明性を確保する観点から、技術提案の評価結果及び落札結果については、契約後速やかに公表するものとする。 5 工事の監督・検査及び施工状況の確認・評価に関する事項 公共工事の品質が確保されるよう、発注者は、 監督及び給付の完了の確認を行うための検査並びに適正かつ能率的な施工を確保するとともに工事に関する技術水準の向上に資するために必要な技術的な検査(以下「技術検査」という。)を行うとともに、工事成績評定を適切に行うために必要な要領や技術基準を策定するものとする。 特に、工事成績評定については、公正な評価を行うとともに、評定結果の発注者間での相互利用を促進するため、国と地方公共団体との連携により、事業の目的や工事特性を考慮した評定項目の標準化に努めるものとする。 監督についても適切に実施するとともに、契約の内容に適合した履行がなされない可能性があると認められる場合には、適切な施工がなされるよう、通常より頻度を増やすことにより重点的な監督体制を整備するなどの対策を実施するものとする。 技術検査については、工事の施工状況の確認を充実させ、施工の節目において適切に実施し、施工について改善を要すると認めた事項や現地における指示事項を書面により受注者に通知するとともに、技術検査の結果を工事成績評定に反映させるものとする。 6 発注関係事務の環境整備に関する事項 各省各庁の長は、各発注者の技術提案の適切な審査・評価、監督・検査、工事成績評定等の円滑な実施に資するよう、これらの標準的な方法や留意事項をとりまとめた資料を作成するなど、公共工事の品質確保に係る施策の実施に向け、発注関係事務の環境整備に努めるものとする。 なお、これらの資料を踏まえて、各発注者は各々の取組に関する基準や要領の整備に努めるものとする。この際、これらを整備することが困難な地方公共団体等に対しては、国及び都道府県が必要に応じて支援を行うよう努めるものとする。 また、新規参入者を含めた建設業者の技術的能力の審査を公正かつ効率的に行うためには、各発注者が発注した工事の施工内容や工事成績評定、当該工事を担当した技術者に関するデータを活用することが必要である。このため、各発注者が発注した工事について、工事の施工内容や工事成績評定等に関する資料をデータベースとして相互利用し、技術的能力の審査において、活用を進めるよう努めるものとする。 さらに、各発注者は、民間の技術開発の促進を図るため、民間からの技術情報の収集、技術の評価、さらには新技術の公共事業等への活用を行う取組を進めるとともに、施工現場における技術や工夫を活用するため、必要に応じて関連する技術基準や技術指針、発注仕様書等の見直し等を行うよう努めるものとする。 7 調査・設計の品質確保に関する事項 公共工事の品質確保に当たっては、公共工事に関する調査・設計の品質確保が重要な役割を果たしており、測量、地質調査及び建設コンサルタント業務の成果は、建設段階及び維持管理段階を通じた総合的なコストや、公共工事の工期、環境への影響、施設の性能・耐久性、利用者の満足度等の品質に大きく影響することとなる。 このような観点から、公共工事に関する調査・設計についても、工事と同様に発注関係事務の環境整備に努めるとともに、調査・設計の契約に当たっては、競争参加者の技術的能力を審査することにより、その品質を確保する必要がある。また、発注者は、調査・設計の内容に照らして技術的な工夫の余地が小さい場合を除き、競争参加者に対して技術提案を求め、価格と品質が総合的に優れた内容の契約がなされるようにすることが必要である。この場合、公共工事に関する調査・設計は、公共工事の目的や個々の調査・設計の特性に応じて評価の特性も異なることから、求める品質の確保が可能となるよう、適切な入札及び契約の方式を採用するよう努めるものとする。 また、調査・設計は、その成果が、業務を実施する者の能力に影響される特性を有していることから、発注者は、技術的能力の審査や技術提案の審査・評価に際して、技術者の経験やその成績評定結果を適切に審査・評価することが必要である。また、その審査・評価について説明責任を有していることにも留意するものとする。 なお、技術提案が提案者の知的財産であることにかんがみ、提案内容に関する事項が他者に知られることのないようにすること、提案者の了承を得ることなく提案の一部のみを採用することのないようにすること等、発注者はその取扱いに留意するものとする。 当該調・設の内容が、工夫の余地が小さい場合や単純な作業に近い場合等必ずしも技術提案を求める必要がない場合においても、競争に参加する者の選定に際し、その業務実績、業務成績、業務を担当する予定の技術者の能力等を適切に審査するよう努めるものとする。 発注者は、調査・設計の適正な履行を確保するため、発注者として行う指示、承諾、協議等や完了の確認を行うための検査を適切に行うとともに、業務の履行過程及び業務の成果を的確に評価し、成績評定を行うものとする。成績評定の結果は、業務を遂行するのにふさわしい者を選定するに当たって重要な役割を果たすことから、国と地方公共団体との連携により、調査・設計の特性を考慮した評定項目の標準化に努めるとともに、発注者は、業務内容や成績評定の結果等のデータベース化を進めるよう努めるものとする。 なお、落札者の決定に反映された技術提案に基づく成果については、発注者と落札者の責任の分担とその内容を契約上明らかにするとともに、その履行を確保するための措置や履行できなかった場合の措置について契約上取り決めておくものとする。 8 発注関係事務を適切に実施することができる者の活用 (1) 国・都道府県による支援 各発注者は、自らの発注体制を十分に把握し、積算、監督・検査、工事成績評定、技術提案の審査等の発注関係事務を適切に実施することができるよう、体制の整備に努めるものとする。また、工事の内容が高度であるために積算、監督・検査、技術提案の審査ができないなど発注関係事務を適切に実施することが困難である場合においては、発注者の責任のもと、発注関係事務を実施することができる者の能力を活用するよう努めるものとする。 このような発注者に対して、国及び都道府県は次のような措置を講ずるよう努めるものとする。 イ 発注関係事務を適切に実施することができる職員を育成するため、講習会の開催や国・都道府県が実施する研修への職員の受入れを行う。 ロ 発注者より要請があった場合には、自らの業務の実施状況を勘案しつつ、可能な限り、その要請に応じて支援を行う。 ハ 発注者による発注関係事務を公正に行うことができる条件を備えた者の選定に関して協力する。 ニ 発注関係事務を適切に実施するために必要な情報の収集及び提供等を行う。 (2) 国・都道府県以外の者の活用 国・都道府県以外の者を活用し、発注関係事務の全部又は一部を行わせる場合は、その者が、公正な立場で、継続して円滑に発注関係事務を遂行することができる組織であること、その職員が発注関係事務を適切に実施することができる知識・経験を有していること等が必要である。 発注関係事務の全部又は一部を行うことができる者の選定に当たっては、当面、公共工事を発注する地方公共団体等に対して設計、積算、工事管理等の支援を行う公益法人等をその対象として活用しつつ、民間企業等に ついても、技術的能力及び公正性を確保することで選定の対象となることができるよう必要な環境整備に努めるものとする。 9 施策の進め方 基本方針に規定する公共工事の品質確保に関する総合的な施策を効率的かつ確実に実施するためには、各発注者の体制等にかんがみ、これを段階的かつ計画的に推進していくことが必要である。 このため、政府は、各発注者における法及び基本方針に示された公共工事の品質確保の促進に関する基本的な施策の実施状況について調査を行うとともに、その結果をとりまとめ、公表する。 また、各発注者は、公共工事の品質確保に向け、発注者間の協力体制を強化するため、情報交換を行うなど連携を図るよう努めるものとする。 |
担当 | なし |
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