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工事契約に関する規程・通知(詳細)

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通知名 下請セーフティネット債務保証事業による工事請負代金債権の譲渡を活用した融資制度について
決定制定日 2008/11/04
最終改正日 2013/03/29
文書番号 20文科施第346号
文書本文
(最終改正)
下請セーフティネット債務保証事業による工事請負代金債権の譲渡を活用した融資制度について(通知)  

20文科施第346号 
平成20年11月4日 

改正 22文科施第551号 
平成23年2月1日 

23文科施第670号 
平成24年3月14日

24文科施第635号 
平成25年3月29日 

大臣官房会計課長
大臣官房文教施設企画部長
研究開発局長
国立教育政策研究所長   殿
科学技術政策研究所長
日本学士院長
文化庁長官


文部科学省大臣官房文教施設企画部長
文部科学省大臣官房会計課長


このことについては、これまで「未完成工事に係る請負代金債権の債権譲渡の承諾に係る事務取扱について」(平成11年4月1日付け文会総第302号文教施設部長・会計課長通知)により運用されてきたところであるが、近時の建設投資の急速な減少、不動産業の業況の悪化、資材価格の高騰等により、地域の経済・雇用を支える中小・中堅建設業者が極めて厳しい状況に直面しており、こうした状況を踏まえ、建設業の資金調達の一層の円滑化を図るため、「地域建設業経営強化融資制度について」(平成20年11月4日付け20文科施第345号文教施設企画部長・会計課長通知)と併せて、下記のとおり、下請セーフティネット債務保証事業による工事請負代金債権の譲渡の承諾等について定めましたので、遺漏のないよう願います。
この通知は、平成20年11月4日から適用します。
 なお、平成11年4月1日付け文会総第302号文教施設部長・会計課長通知「未完成工事に係る請負代金債権の債権譲渡の承諾に係る事務取扱について」は、廃止します。



1 下請セーフティネット債務保証事業の概要
 下請セーフティネット債務保証事業は、公共工事を受注・施工している中小・中堅元請建設業者(原則として資本の額又は出資の総額が20億円以下又は常時使用する従業員の数が1500人以下の建設業者とする。以下「受注者」という。)が契約担当官等(会計法第29条の3第1項に規定する契約担当官等をいう。以下「発注者」という。)の承諾(文部科学省発注工事請負等契約規則別記第一号工事請負契約基準(以下「工事請負契約基準」という。)第5第1項ただし書きに規定する「発注者の承諾」をいう。以下同じ。)を得て記6に規定する債権譲渡先(以下「債権譲渡先」という。)に譲渡した工事請負代金債権(工事請負契約基準第1第2項に規定する請負代金債権をいう。以下「債権」という。)を担保として、債権譲渡先が受注者に対して融資を行うものである。本制度では、債権譲渡先が金融機関から転貸融資資金を借り入れる際の債務保証を一般財団法人建設業振興基金(以下「基金」という。)が行うことができるものとする。
 また、債権譲渡先は、融資に際し、受注者の下請負人等への支払状況等を確認するとともに、万が一受注者が倒産に至った場合には、債権譲渡先が受注者に代わって下請負人等への支払を行う。
  なお、この場合、倒産とは以下の場合をいう(以下同じ)。
  ① 破産、民事再生手続開始、会社更生手続開始又は特別清算開始の申立てがなされた場合
  ② 手形交換所の取引停止処分を受けた場合
  ③ その他受注者が所在不明等により一般的に債務の弁済ができなくなった場合

2 譲渡債権の承諾の対象工事
  発注者が承諾できる工事は、以下を除く工事とする。
(1)工事請負契約基準第4第3項に規定する保証(いわゆる「役務的保証」であり、保証金額を限度として公共工事の請負契約上の債務の履行を保証人が保証し、受注者に債務不履行が生じた場合には、保証人が代替業者を選定して工事を履行させるものをいう。)を付した工事
(2)受注者が当該工事の契約に基づく賠償金、損害金、違約金又は遅延利息を支払っている工事
(3)以下の工事を除く、国庫債務負担行為及び歳出予算の繰越し等工期が複数年度に亘る工事
   ① 国庫債務負担行為の最終年度の工事であって、かつ、年度内に終了が見込まれる工事
   ② 前年度から繰り越された工事であって、かつ、年度内に終了が見込まれる工事
(4)予算決算及び会計令(昭和22年勅令第165号)第86条第項第98条で準用する場合を含む。)の調査の対象となった者と契約した工事
(5他受注者の施工する能力に疑義が生じているなど債権譲渡の承諾に不適当な事由がある工事

3 譲渡債権の範囲
 債権譲渡の見込額は、当該工事の工事請負契約書に記載されている工事請負代金額から工事請負契約基準第34第1項に規定する前払金(以下「前払金」という。)、同第34第3項に規定する中間前払金(以下「中間前払金」という。)、同第37第5項に規定する部分払金(以下「部分払金」という。)、同第38第1項に規定する部分引渡しに係る請負代金(以下「部分引渡しに係る請負代金」という。)を控除した額とする。
 ただし、請負工事が完成した場合における債権譲渡額は、当該工事の工事請負契約書に定められた検査に合格し引渡を受けた出来形部分に相応する工事請負代金額から前払金、中間前払金、部分払金、部分引渡しに係る請負代金 及び当該工事の請負契約により発生する発注者の請求権に基づく金額を控除した額とする。
 また、当該工事の請負契約が解除された場合においては、当該工事の工事請負契約書に定められた出来形部分の検査に合格し引渡を受けた出来形部分に相応する工事請負代金額から前払金、中間前払金、部分払金、部分引渡しに係る請負代金及び当該工事の請負契約により発生する違約金等の発注者の請求権に基づく金額を控除した額とする。
 なお、債権譲渡先と受注者の間の債権譲渡契約において、請負代金額に増減が生じた場合には、受注者が債権譲渡先に変更後の工事請負契約書の写しを提出して通知しなければならない。

4 債権譲渡を承諾する時点
 当該工事の出来高(記2(3)①にあっては、最終年度の工事に係る出来高)が、2分の1以上に到達したと認められる日以降とする。

5 承諾権限
 受注者が債権譲渡を行うに当たっては、発注者の承諾を得るものとする。

6 債権譲渡先
 債権譲渡先は、以下の受注者への資金供給の円滑化及び下請保護に資する資金の貸付事業を行う者とする。
 ① 事業協同組合等(事業協同組合(事業協同組合連合会等を含む。)、特例民法法人、一般社団法人・一般財団法人又は公益社団法人・公益財団法人である建設業者団体をいう。以下同じ。)
 ② 建設業の実務に関して専門的な知見を有すること、本制度に係る受注者への貸付事業を確実に実施できる財産的基盤及び信用を有すること等の要件を満たす者として基金が被保証者として適当と認める民間事業者

7 債権譲渡の承諾の条件
発注者は、承諾に当たって次に掲げる条件を付すこととする。
(1) 記3に掲げる譲渡債権の範囲。
(2) 受注者及び債権譲渡先は、債権譲渡の承諾後、金銭消費貸借契約を締結し、当該契約に基づき融資が実行された場合には、速やかに連署にて発注者に融資実行報告書を提出すること。
(3) 記9に掲げる譲渡債権が担保する範囲。
(4) 受注者及び債権譲渡先は、債権を第三者に譲渡し若しくは質権を設定しその他債権の帰属並びに行使を害すべき行為を行ってはならないこと。
(5) 受注者倒産時の下請負人等の保護に関しては、受注者及び債権譲渡先が責任を持って行うこととし、発注者は関与しないこと。

8 債権譲渡を認めるに当たり必要とされる下請保護方策
(1) 融資時の債権譲渡先への受注者の支払計画等の提出
 受注者は債権譲渡先より融資を受ける際に、当該工事に関する融資申請時までの下請負人等への代金の支払状況及び当該借入金の下請負人等への支払計画を債権譲渡先に提出し、債権譲渡先において確認することとする。
(2) 受注者倒産時の下請保護方策
 発注者は、債権譲渡の承諾を行うに当たり、受注者と債権譲渡先の間の債権譲渡契約において、原則として、以下の①又は②のいずれかの措置が講じられていることを確認するものとする。
 なお、受注者の倒産時等の下請保護に関しては、受注者及び債権譲渡先が責任を持って行うこととし、発注者は関与しないものとする。

① 受注者が倒産により下請負人等への支払ができなくなった場合には、債権譲渡先は、債権譲渡先が発注者から受け取る当該工事請負代金額の一定割合を限度として、受注者に代わって下請負人等に代金を支払う旨の特約が、受注者と債権譲渡先の間の債権譲渡契約において定められていること。
 なお、一定割合の部分は、当該工事の下請割合、下請代金支払方法等を勘案して、受注者と債権譲渡先の間で任意に定めるものとし、発注者は関与しないものとする。
② 受注者が倒産により下請負人等への支払ができなくなった場合には、債権譲渡先は、債権譲渡先が発注者から受け取る当該工事請負代金額から受注者への金を精算の上、残余の部分を受注者に代わって下請負人等に支払う旨の特約が受者債権譲渡先の間の債権譲渡契約において定められていること。

 ただし、債権譲渡先の事務体制にかんがみ、当分の間は、融資時に前項の下請負人等への支払計画等の提出を行い、かつ、債権譲渡先と受注者との間の債権譲渡契約において、債権譲渡先が発注者から受け取る当該工事請負代金額から受注者への貸付金を精算の上、受注者の倒産による任意整理において、残余の部分を債権譲渡先が受注者に代わって下請負人等に支払うことにつき債権者間の合意が整ったときは、当該合意に従って支払を行うこととする旨が定められている方式も認めることとする。この場合には、債権譲渡先の事務体制を整備の上、①又は②への移行を図るようにすることとしている。

9 譲渡債権が担保する範囲
 本制度に係る譲渡債権は、当該工事に関して、債権譲渡先の受注者に対する貸付金及び受注者倒産時の下請負人等の債権を担保するものであって、債権譲渡先が有する受注者に対するそれ以外の債権を担保するものではない。

10 債権譲渡承諾書交付までの日数等
(1) 債権譲渡承諾書交付までの日数
 発注者は、(3)の場合を除き、受注者から債権譲渡の承諾の申請書類を受理した日から1週間(末日が行政機関の休日に当たるときは、「行政機関の休日に関する法律」(昭和63年法律第91号)第2条に定める取扱いとする。以下「交付期限」という。)以内に承諾するものとする。
(2) 交付期限までに交付できない場合の措置
 (1)にかかわらず、やむを得ない事情で、交付期限までに受注者に対し債権譲渡承諾書を交付できない場合には、発注者は、その旨を速やかに受注者に連絡するものとする。
(3) 承諾を行わない場合の取扱い
 発注者は、申請に係る工事が記2に規定する対象工事に該当しない場合又は申請書類の確認により承諾を行うことが不適当と認められる場合には、承諾を行わないものとする。この場合においては、発注者は承諾を行わない旨を速やかに受注者に連絡するものとする。

11 その他
(1)下請セーフティネット債務保証事業は、健全な建設業者が積極的に活用すべきものであるので、発注者においては、債権譲渡の承諾を申請したことをもって、受注者の経営状態が不安定であるとみなし、また、入札契約手続等で不利益な取扱いをすることのないよう十分留意すること。
なお、下請セーフティネット債務保証事業制度に係る債権譲渡によって受注者の工事完成引渡債務が一切軽減されるものではない。
(2) 下請セーフティネット債務保証事業に係る融資及び「地域建設業経営強化融資制度について」(平成20年11月4日付け20文科施第345号文教施設企画部長・会計課長通知)に係る融資は、いずれかを選択して利用できるものとする。
担当 契約係
参照URL1  
参照URL2  
参照URL3  
添付ファイル1 SHITAUKE.pdf
添付ファイル2
添付ファイル3

※添付ファイルは別ウィンドウにて開きます。

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